謎の鹿塩塩泉

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Last Update2009/06/17

大鹿村鹿塩(かしお)に海の水と同じぐらい濃い塩水が湧いています。
明治時代には、製塩がおこなわれていました。
いまでは温泉旅館になっています。

山の中に塩水が湧くなんて不思議ですね。
地下水に、塩そのものか濃い塩水が、
溶け出していると考えられます。

では、地下にある塩や塩水としては、
どんな塩が考えられるでしょうか。


岩塩(がんえん)

砂漠で塩湖(えんこ)が干上がってできます。

×日本列島には岩塩はないと考えられています。


化石海水(かせきかいすい)


昔の海水が何百万年も地層中にとじこめられたもの。
北海道〜山陰の日本海側・長野県東部・群馬県には、
1千万年前に浅い海底にたまった地層があり、
化石海水の塩泉があります。

×鹿塩には、ここが海だった地層がありません。
×鹿塩塩泉の水は、海水や化石海水ではないことがわかりました。


海塩(かいえん)

海水の塩分だけが、地層にこし取られて残ったもの。
粘土が塩を濃縮することがあります。
北アメリカの油田には、
地層の中の海塩が溶かし出された塩水が見つかっています。

×鹿塩には海の地層がありません。
△1億5千万年前に沖合いの海溝にたまり、
海のプレートとともにアジア大陸の下に沈みこみ、
1億年前に強い圧力を受けて変成岩に変わった岩石
=黒色片岩(こくしょくへんがん)はあります。

そういうわけで、鹿塩の塩のでき方は、まだ、まったく分かっていません。



鹿塩の塩はどんな塩?

謎の鹿塩塩泉は、海水と同じぐらいの塩分を溶かしています。
塩分といっても、いろいろな成分があります。

鹿塩塩泉と海水の成分(グラム/リットル)
成分(イオン) 鹿塩塩泉 海水
ナトリウム 10.60 10.77
カリウム 0.16 0.40
マグネシウム 0.07 1.29
カルシウム 0.36 0.41
塩化物 19.30 19.35
臭素 0.04 0.07
硫酸 0.01 2.71
炭酸水素 - 0.24

サラサラの食塩泉

圧倒的に多いのが、食塩分、塩化ナトリウムです。
ナトリウムイオンと塩化物イオンをあわせて
1リットルに3グラムもあります。
この濃さは海水と同じです。

けれども海水に多いニガリ分、
マグネシウムイオンは、ほとんどありません。

やはり海水に多い硫酸イオンもほとんどありません。
カルシウムイオンは、海水よりやや少なめです。

このように、鹿塩塩泉は海水よりも純粋な食塩水にちかく、
ベトつかない塩水です。

原水の塩分は海水よりも濃い

塩泉は、地下のどこかにある"もとの水"と、
ふつうの地下水がまざって湧いてきたものです。
鹿塩の"もとの水"の塩分は、海水よりもずっと濃いはずです。

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